西川 潤
新宿区立四谷小学校
教諭(平成29年度採用)
※取材時は、調布市立緑ヶ丘小学校
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大学は心理学部に通い、教員になろうと思ったことは一度もなかった私でしたが、ボランティア先の小学校での、ある出来事により教員の仕事に魅かれました。小学校2年生の子が筆算ができずに悩んでいたのですが、先生がたった一言アドバイスしただけで急に筆算ができるようになったのです。「教員は、こうした成長のきっかけを作れる仕事なのか」と感銘を受け、小学校の先生を目指すようになりました。
目指したいとはいっても、「今から教員になれるものなのか。」そんな不安がありました。しかし、東京都には東京教師養成塾をはじめとした研修制度が充実していたので、それらを活用することで知識だけでなく現場の様子も学ぶことができました。自分の知識や経験に不安がある人は、サポートしてくれる制度が整っている東京都で教員を目指すことをお勧めしたいです。
自分一人ではなく、チームの力で物事を進めることを大事にしています。まだ私の経験が浅いこともありますが、それだけが理由ではありません。教員は大切なお子さんを預かる仕事。その期待と責任にしっかりと応えるためには、自分だけではない様々な視点から子供を知り、支えることが大切だと思っているからです。
具体的な指導面においては、子供たちが自分はどうしたいのかを考えられるような授業を意識しています。こちらで全て決めてしまい、一方的に教えるのは簡単です。ただ、それでは本当に自分で考える力が身に付きません。学校は勉強だけをするのではなく、生きていく力を身に付ける場所。だからこそ、先生や親に頼らずに自分で考え、動ける人になってもらうべく、目標を定めたら、時間の使い方や使用するツールはなるべく自分で決めることができるようにしています。
特に小学校は人格や人間性が出来上がる重要な時期だと思います。そこに携わる教員だからこそ感じられる、子供たちの人としての成長が何よりの喜びです。特に印象深く、きっと今後も忘れられない、ある子供がいました。その子は、自分にとても自信がない子で、ことあるごとに「私なんて…」という考えに陥ってしまうタイプでした。周りの友達や私からも、たくさん良いところがあると声をかけていたのですが、なかなか自信を持てないまま。しかし、そうした関わりを続けているうちに、友達の言葉が本心からのものであると徐々に気付いたようで、ある時私に「まだ自分に自信は持てないけど、私にはいいところがあると言ってくれる友達がこんなにいる。それ自体がとてもいいことなんだと思う」と話してくれたのです。その言葉を聞いて、思わず涙が溢れました。子供たちは、お互いに助け合い、学び合いながらこんなにも素晴らしく成長していく。それを支える責任と大きな喜びを知った出来事でした。
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資料の印刷や準備を手伝ってくれるスクール・サポート・スタッフの方のおかげで、日々の業務の負担も軽減されていると感じます。また、ICTの導入も進み、教員と子供にタブレットが貸与されることで、会議の時間も以前の半分ほどに抑えられたり、体育の実技や英語のスピーキングを動画で簡単に見せられたりと、生産的な働き方が実現できています。もちろん忙しい時期もありますが、制度やツールを活用して自分のペースで働けていると思います。
ラーメンが大好きなので、日頃から行きたいラーメン店をチェックしておいて、早めに退勤できた日に都内のラーメン店を巡っています。美味しいラーメン店がたくさんあるのも、私にとっては東京都で働く魅力の一つですね。週末は、友人とカフェやご飯に行って他愛のない話をしてリフレッシュしています。気分転換でもありますが、職場の人間関係だけでなく、いろいろな人との交流を通じて自分の世界を広げるようにしています。